『渋沢栄一翁は優しい母と厳しい父に育てられた(父がいなくなった日本の家庭・学校・企業・政治)』

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―月刊『理念と経営』の3月号は、
 渋沢翁のお孫さんの鮫島純子先生と
 加来先生との巻頭対談です―

―社長塾が目指す論語と経営は「現実主義」「理想主義」
 「合理主義」「人格主義」「利益主義」の合一です―


1)
昨日は日創研・経営研究会の正副会長・監事会議でした。
組織も大きくなると「目的と手段」の区別がつかなくなります。
情実だけでは健全な組織は存続しえない。

2)
スイスのテンニースは、実に見事な精神文化論を遺しています。
3月の経営サバイバルフォーラムは、
「日本の教育力」についてのダイアログです。
私はデーターリズムではありません。
コメンテーターでご支援くださる井坂先生は統計の裏側に鋭いです。

3)
教育の根底にあるのが精神文化と言っても良いでしょう。
日米欧の教育の長所・短所では、尊敬する先生と
異なる意見をもちます。
ただ、井坂先生は私の「ニューラルネットワークの先生」
ですし、AIやデジタル社会を研究された工学博士です。

4)
一昨年のサンフランシスコでのディスカッションでは、
先生の激しさを見ています。
ベンチャー企業での6年間のご体験は、
日本社会が如何に甘いかを教えられます。
日本は「場の倫理」・米欧は「個の倫理」です。

5)
日本にはいつの間にか「家庭に父親がいなくなった」
とは、ユング心理学の河合隼雄先生です。
日本の空白の原因です。
母親ばかりで、優しいのは良いが
明確な道理や機能体否定の社会です。

6)
渋沢栄一翁の「青天を衝け」のドラマは
かなり事実と異なり脚色されていますが、
3月からの京都・社長塾は渋沢古典です。
まだ、出光佐三翁の「三綱領」が中途ですが、
この方も渋沢翁も「日本の精神文化」の上で父親です。

7)
前回は、代官が無理難題を押し付ける場面ですが、
大河ドラマは「事実より奇なり」です。
子供心に憤る場面は、「父の姿」です。
母は実に慈愛深い方で、村中から愛され慕われ、
渋沢翁に「仁」を教えます。

8)
「自分が歓ぶだけじゃいけないんだ。皆が喜ぶ喜びが
 本物なんだ。」
母ですね。栄一少年は本物の居場所を尋ねます。
すると、母は自分の胸を叩き
「ここにあるんだよ」と諭します。
つまり「道理・道徳・明明徳」ですね。

9)
昔、ハーバード大学の白熱教室「マイケル・サンデル」
を長い間NHKが放映していましたが、
母が正義か父が正義かの論点のみです。
ですから、家庭にも、学校にも、企業にも、政治にも
「母と父」の存在が欠かせないのです。
日本の教育には父がいない。

10)
シリコンバレーから井坂先生、鹿児島の今別府社長、
広島の重道社長、岡山の森脇社長の四人がコメンテーターです。
参加者には、教育の実体のデータをお送りしますが、
国際競争力や企業の競争優位の低下の主要因です。
企業も国も人です。

11)
さて、ドラマは代官が無理難題を押し付けて、
父・市郎衛門の嘆願を無視するのです。
子供心に官尊民卑の矛盾を体験します。
憤る栄一少年に、沈黙して耐える父の態度は
「格物・致知・誠意・正心・修身」で鍛えられた
「父」の姿です。

幼少の渋沢栄一が何を体得したのか?
実に描写が上手いです。
総論で評価すると小説よりもリアルです。
教育ですね。

12)
ドラマは一転して、渋沢淳忠(年長の従兄・
群馬県藤岡市にある世界遺産の製糸工場の初代工場長)
から古典を学ぶ青年の姿です。
「学を好むは知に近し、力(つと)め行うは
 仁に近し、恥を知るは勇に近し」
この部分は中庸ですが、知仁勇は社長塾でも学びます。

つまり、儒学は修己治人に尽きるわけですが、
この知仁勇を身につけることを「修身」と位置づけています。

13)
道場で、淳忠の弟の長七郎と剣道の試合をする
場面がありました。
幕末は儒学や剣を好み、誰もが武士のように
振る舞ったのですね。
この長七郎は剣にの凄腕で、渋沢翁は歯が立ちません。
江戸へ出て京に行き、視野の広い人です。

渋沢翁は「高崎城乗っ取りや横浜の外国人の
追い出し」を計画しますが、テロ行為ですね。
情報を持っていますから、
必死で中止させるのです。若くして亡くなります。

渋沢翁がフランスから帰国した年に亡くなるのです。
「我が忘れがたき人」(?)という趣旨の本に
哀悼の意を述べています。

14)
ただ、道場の掛け軸の「心即理」が気になりました。
朱子学は「性即理」で陽明学は「心即理」ですから、
渋沢翁の書物に陽明は出てきますが、朱熹が多い。
第18期の社長学の3月の第三講座の講義が
この「性即理と心即理」です。

15)
多分、来週は、6人の秘密会議のテロ行為計画の場面
かもしれませんが、渋沢翁も当時は血気に流行る、
視野の狭い部分があったのですね。

慶喜公に仕えてフランスに行ってから資
本主義の偉大さや銀行という社会の仕組みを
猛烈に学びます。

16)
渋沢栄一翁の利益の概念は
「社会を豊かにして人を幸福にする」ことです。
新自由主義経済が生みだす「人間不在の欲望の
資本主義」とは、利益の概念が全く異なるのです。
ですから、日本資本主義の父ではなく、
合本主義の生みの親です。

17)
ただ、渋沢栄一翁は「父」ですから、決して甘くは
ありません。市場経済を認めています。
つまり、「現実主義」「理想主義」「合理主義」
「人格主義」「利益主義」の合一です。

18)
社長塾を伊與田覚先生から引き継ぎましたが、
この社長塾で目指すのは「論語」「大学」「中庸」
などの儒教と経営です。
儒家になるわけでもなく、あくまで経営にどう活かすか
が目的です。人物学でもあるのです。

19)
??????月刊『理念と経営』の3月号は、渋沢翁のお孫さんの
鮫島純子先生と、加来先生との巻頭対談です。
純子先生は茶目っ気で楽しい人です。
京都・社長塾にもお見えになりお話を頂きました。

20)
我々企業経営は堂々と利益を出して良いのです。
ただ、渋沢翁の富国政策は今の政治家は真似できません。
一つは志の低さです。二つ目は有言不実行です。
我々教育する者も要注意です。

私も「不実行で有言に陥りやすい所」があります。
渋沢翁はしゃべりだしたら止まらない位
熱意を持っていました。
まさに陽明の説く「知行一致説」で実践を
大切にした方です。

宋の時代の儒家が「高尚で奥深くしてしまい、
世の中の実際とは遠ざかった」と述べています。
我々企業経営も実際の学問「実学」でなければ
なりません。老荘思想も非現実的だと厳しいです。

実践主義は「父」です。
伊與田覚先生は我々の生き筋の「父」です。
父がいない家庭とは?
経営サバイバルフォーラムや社長塾学んで下さい。





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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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このブログ記事について

このページは、田舞通信が2021年2月23日 10:07に書いたブログ記事です。

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