財務と経営財務は全く異なります。マーケティングや損益構造やコア・コンピタンスなど戦略的財務がいります』 ―人を信じることは大事ですが過ぎると安易に騙されます。無知こそが最大のリスクです―

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1)
経営相談でPDFが送られてきました。
M&Aの契約書や財務諸表です。丁寧なメールですが文字が見えません。
今日は久しぶりの休養でしたが、メールを返信し、
会社に行ってお電話にてご相談に乗りました。

2)
かなり深刻な状態かと思って心配しましたが、
BSを見ると流動比率は300%もあります。
当座比率も200%なのです。
コロナウイルス問題で悲観的になり、会社の売却の相談です。

相談の難易度は最高を100とすると20程度ですが、
逆境の時ほど肯定的になることです。

3)
事情をお聞きすればするほど憤りが出てきました。
それなりの企業価値評価ならともかく、
コンサル料を支払うと自分の手元には全く資金は残らない。

4)
リーマンの時もそうですが、パンフレット一枚に問い合わせて、
甘い話に巻き込まれていくのです。
お世話になったご受講生様ですから、
じっくり質問すればするほど「判断力」に課題を感じます。

5)
つまり、逃避傾向です。
遊び、宗教(信仰は大事ですよ)、安易なコンサル雇用、自社売却。
幹部は育っていないし、社員教育もしていない。
人が好過ぎて後継者としての訓練もしなかったツケです。
 
6)
何の苦労もなく企業を承継すると、
長年の汗水流して築いた企業も呆気なく終わってしまうのです。
お手上げなら分かるのですが、長期借入金をすぐに返すだけの流動性預金もある。

7)
昨日の田舞通信で、
『若い時こそ「経営の基礎・基本」を身を持って叩き込まなければならないのです』
そのように述べました。
そのように述べた田舞通信後開いた受信メールでのご相談です。

8)
リーマンの時も何度か経験していますが、
日創研はM&Aの企業買収には殆どご相談に乗りません。
何故なら「隠れ債務を見抜く」のは、M&Aの専門の会社にいる専門家がおられるからです。

7月からも「実践後継者育成セミナー」が始まりますが、
27年行ってきて法則性があることに気づきます。

朱子が友人と編纂した「小学」に「人に三不幸あり(程伊川)」の法則です。
?少年にして高科に登る一不幸なり。
(若いうちから才能をちやほやされて昇進する=不幸のもと?)
?父兄の勢に席(よ)って美官となる―二不幸なり。
(父兄の勢力や力で実力以上の地位を得る=不幸のもと?)
?高才有って文章を能(よ)くす―三不幸なり。
(才能があり、文章もうまいが自己満足や自惚れや侮り=不幸のもと?)

スタンフォード大学におられたジムコリンズ教授の言われる
「衰退の法則そのまま」です。
栄華を誇った企業も、必ず衰退するのです。企業はそういう「パターン」を認識するですかね!
栄えるのも、衰退するのも、すべて社長や後継者がつくる。

9)
さて、専門家のご紹介はしますし、
それで専門家が仲介しても隠れ債務を見抜くのは難しいものです。
もちろん、金沢のM社長、起業家養成スクールOBのN社長、
九州のA社長はM&Aで成功しています。
(考えてみると、三人とも田舞塾が長いのですよね。)

10)
これから、本格的に経済問題に移ると思いますが、日創研ではウイルス情報は超敏感です。
5月の求人低下や、失業率や、失業者数や、GDPの月次報告や、
会員企業様の景気動向は殊更過敏状態です。
今月7日のエマージェンシー業績アップは、
第一講座を受け持ち、経済動向と心構えから松原君にバトンタッチです。

11)
つまり、先が見えないと人間は不安になり、
「過去思考」や「現実思考」や「未来思考」にバイアスがかかり、
すべてを悲観的に見てしまうのです。思考だけではなく感情も歪んでしまいます。

「NISSOKEN可能思考メソッド」が必要な所以ですが、逆境に弱いのも現代社会の問題ですね。
日創研は34年間、順境に悲観し逆境に楽観せよ(出光佐三・松下幸之助)が一つのコンセプトです。

12)
結果的にこういう安易な判断をして自分だけは生き残ろうとするのです。
マイナスの生存本能的判断です。
手元に5000万とか、それなりの企業価値の評価があれば良いとしても、
ある面騙しに乗ったように思います。

13)
田舞塾には、非常に数字に強いS社長がおられます。
私の「理念経営のすすめ」を読まれて、そのご縁です。
上場の実現は、一つには田舞塾でお呼びした、私の友人のK先生とのお出会いもありました。

14)
産業再生機構のCOOをされた冨山 和彦先生の友人でもあり、
財務に相当厳しい方ですから、田舞塾終了後、川本相談役に相談し、
K先生とS社長と4人でご一緒にお食事をしました。

15)
日本は間接金融ですから、そのご縁でS社長は直接の金融調達を必死に学ばれたのです。
田舞塾にはそうした強者がいるのです。過日の教育ケースも、
経営や企業価値判断の一つ、EBITDA(イービットディーエー)を指標とする企業様がいました。

16)
お互いに仲間同士が自分のテーゼをもち、
逆に反対する人の意見を聞いてアウフヘーベン(止揚)するのです。
今日のお電話で、M&Aは中止されると思いますが、税理士さんを変えることを条件にして、
日創研で真摯に経営財務を学ばれている、?TT卒業の税理士さんをご紹介しました。

17)
税理士さんは現在非常に大切な立場にあります。
単にCFやBSやPLなどの決算書だけではなく、
適切な経営のアドバイスが出来ないと「経営財務」として昇華されません。
「危険ですよ」位のアドバイスではクライアントさんの企業支援はできないのですね。
すべてが大きく変わったのです。リーマン以上にです。

18)
コロナウイルス問題で、経営の厳しさを知らずに安易な経営者を狙って、
必ず誘惑の手が伸びてきます。
今回は、企業を?円と算定されて、コンサル料で100%取られて、
企業は無料で買収される話です。

19)
赤裸々にお伝えしましたが、M&A戦略を成長戦略と据える会社様もありますし、
それを専門にしている非常に立派な会社様もあります。
どうか、易きに流れる判断をしないで、より自己修養を積むようにしましょう。

20)
過去、現在、未来を正しく見つめるには、過去の記憶バイアスのクリアリングが大事です。
事実を正しく認知するには、現実の問題の把握力が重要です。
クリアリングされていないと「エスケープ」します。
未来が不安になると、同じように未来バイアスがかかり、希望を失って易きに流れるのです。

21)
オレオレ詐欺などは心の盲点を突かれて、「まさか!」という結果を招くものです。
よほど慎重になるべきなのです。昨日の田舞通信では、

「君の仕事は現場ではない。学ぶことだ。自己革新することだ」と
後継者に伝えました。

?新渡戸稲造さんが言われている通り、逆境の時ほど、
 その逆境を善用することが求められます。
?現場は大事でありますが、目先に追われると未来は小さくなります。
 もちろん、今日がなければ明日はありません。
?現実を見ないで、事実を見ないで、心地よい「ところ」に
 時間を割く事も決して良くありません。
?本業を放ったらかして「名誉」や「地位」を求めるのも良くありません。
 地獄が待っています。CSVの時代です。

[You  pay  the price] スタンフォード大学時代、英語習得に苦労しているとき、
米国1講演者である「ジグ・ジグラー先生」のテープのお言葉です。

5分に1,2回も聞くと忘れません。「代償を払え」という意味です。
代償もなく得たものは脆いという厳しい言葉に励まされました。

創業者も、後継者も、苦難を乗り越える覚悟がないと、すでに市場から消えているのと同じです。
新春経営者セミナーには、来年も田舞塾のメンバーが講師候補にお一人上がっています。
でも、思い上らずに学び続けておられます。
後継者育成、社長自身の自己革新がすべてを決める時代です。

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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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