「見たり」「聞いたり」「試したり」の本田宗一郎イズムの意味とエピソード(企業文化は生きている)

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親愛なる皆様へ
お元気ですか


1)
昨夜、武蔵境自動車教習所 高橋 勇会長のお母様のお通夜に参加し、
生前をお偲びすると共に、心より哀悼の意を表しました。


2)
高橋家は大資産家であり、数百年続く由緒あるお家柄です。
企業も、働く社員さんも、子供さんも立派です。
しかし、そのようなものにすがらずに70歳で必死に生きる友の姿を誇りに思います。


『亡骸の 笑顔の母の お写真に 朋(ともがら)生まれし 時をぞ思う』 得山詠歌
  お母様が20歳の時に生まれました。

『母なるや ゆかりの寺に 眠りたる 白髪深き 生きし旅終ゆ』     得山詠歌
  ご遺影の白髪のお写真をみて詠みました。

『観音院 友の母逝き 彼の空で 何の音をぞ 観させ給うか』      得山詠歌
  観音様は人間を救うために色々な形で現れると言いますね。


3)
今日からTheマスター・コミュニケーションの第5講です。
人物学・心理学・脳科学・コミュニケーションを取り扱っていますが、
今回は「自己を最大限に活かすにはどうするか?」という、
精神的回復力の手がかりのコミュニケーション基本論を学んで頂きます。


4)
すべては自分自身の中に、有能さや問題点があるわけですが、
多くの場合は肝心な時に有能さを認めません(困難の時)。
苦しい時は楽観脳を活用する。うまくいっている時は悲観脳でバランスをとる。
これが大人物の脳の活用方法です。


5)
月刊『理念と経営』7月号の巻頭対談・星野リゾートさんは、
サイエンスとクラフトで、アートのない経営者像を理想としています。
改めて、凄い人たちには自分で確立した哲学があるのですね。


6)
他人様に語る時にはメタファー(隠喩)を使ってもいいのでしょうが、
人に長たる者は、自分で熟慮して、己独自の哲学を企業経営で表現するべきです。
自分最大の表現場所は自分の会社の中です。


7)
先日、「新しい時代の社長学」のアクティベーターを対象に、
経営戦略の立案の流れと、アクションプランまでのフォーマット説明の勉強会を行ないました。
私はフォーマットの講義はしますが、文章を埋めるだけの行為は伝えません。


8)
つまり、見様見真似で作るような時代ではないのです。
これからの時代は真剣勝負です。
日創研では、仕組みづくり全般をお手伝いさせて頂きますが、これが日創研のコア・コンピタンスです。


9)
つまり、悩みに悩み抜いて創ることで、肌感覚の理解力が生まれます。
理屈で分かっても、肌感覚のない戦略や計画は、実態が伴わなくなるのです。


10)
日創研では、単に書物を読んだり講義を聴くだけでは雑識(すべて受け売り)と伝えています。
講師は身を切った上で研修をすることがルールです。
やってみて、やり遂げてみて、身を削ってから、ようやく肌感覚になるのですね。
戦略も経営計画も同じです。


11)
ところで、本田技研工業の本田宗一郎創業者は、
現場で「見たり」「聞いたり」「試したり」という三現主義をモットーにしていました。
それがホンダの社員には浸透しているのです。


12)
ホンダには色々なエピソードがあります。
今年4月のビジョン経営沖縄セミナーでホンダジェットのことを語りましたが、皆さん涙を流されました。
すでに量を追う時代は過ぎました。


13)
ホンダは、本田宗一郎創業者の「見たり」を忠実に受け継いでいます。
ヨーロッパで販売する新車プロジェクトチームは、単に現地の駐在員の情報に頼りません。
自分の目で確かめるために、高い旅費と時間をかけて現地まで赴いています。


14)
3か月も現地で肌感覚でヨーロッパのニーズを掴み、デザイン・設計へと入ります。
Hondaイズムの社風とはそういうことを言うのです。
自分で見ないと、リアルさは生まれない訳ですね。


15)
可能思考研修の実践コース(PSV)は、状況適合理論です。
与えられた環境・時間・人をやりくりして、いかに成果を生み出すかは、
まさに、企業経営にとって重大な問題です。


16)
実践コース(PSV)で状況適合理論を我々は講義している訳ですから、
まずは日創研自らが実行することが求められます。
結果は、そのプロセスに真剣に挑んだかの厳しいフィードバックです。
肌感覚の人間は、そういう筋道に理解力を持つのです。


17)
リアリティーのない人間は、単なる理屈を知っているだけになってしまいます。
知らないよりは良いですが、孔子さまはそれを知とは述べていません。
企業は指導者の器以上にはならないといいますが、
我々は実行に移して、実践知にまで高める必要があります。


18)
先日、ある経営者が立派な結果を作って、決算報告のために訪問されました。
「ある先生に儲けすぎだと言われました」と言われたそうです。
実務の企業経営を知らない人は、単なる理想論を語ってしまうからうまくいかないのですね。


19)
働く人を大切にして、お客様を大事にして、結果としての利益は当然なのです。
そもそも企業には利益はないのですから、そこが分からないのですね。
会計学や簿記論では余剰金を含めて利益は勘定科目にはありますが、実際の経営には利益は存在しません。


20)
一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生は、
「与えられた状況に応じて、問題の本質を鋭く見抜く力がなければこれからの時代は通用しない」と述べておられます。
「戦略とは義である」とも語られ、事実の把握を即座に行なえる智恵がなければならないと言われています。


21)
そのためには、何事においても当事者意識が重要になり、
迷ったり、追い込まれたりして色々な訓練をして一人前になるのです。
机上の空論では、これからは戦えない。
向こうから銃弾が飛んでくるのに、家族も社員さんもお客様も守れない時代です。


22)
何事も法則性があります。
企業が衰退して消滅するにも見事な法則があるのです。
順調な時にすでに始まっているのですね。


23)
仕事のできる経営者の方々も幹部も、色々なアドバイスを当事者として真剣に聞いてくれます。
業績が良いときにこそ「衰退の始まり」なのですから、
日創研が模範を見せて「緊張」して準備しなければいけないのです。


24)
「君子は其の位に素して行い其の外を願わず」
中庸の第14章ですが、この文章も、スタンフォード大学での戦略論の学びも、
偉大な経営者の「生の声」も、全く同じです。
若い時からの当事者意識の積み重ねと実行しか「人間」を鍛えてはくれないのです。


25)
我々もうまくいっていない事実に目をつぶるのではなく、
微小の事実も鋭くキャッチしして、かつ大きなビジョンを描きましょう。
両利きの経営、ストックデールの逆説、学びは実に奥が深いですね。

田舞徳太郎


 

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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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このブログ記事について

このページは、田舞通信が2018年7月 3日 10:20に書いたブログ記事です。

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