『あなたは14億円の債務超過と43億円の借金がある会社を受け継ぎますか?(人生も企業も、なるようになるのです)」22TTの方ですよ。

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親愛なる皆様
お元気ですか。

月刊『理念と経営』1月号

2018年「未来への挑戦―新たなる価値の創造1」

巻頭対談「大義のためにもうける仕事をしなさい」

●丹羽宇一郎先生の言葉

「今の若者たちの仕事に対する心構えが、自分たちの周辺だけしか見ていない。視野狭窄におちいっている。
 トンボの時代であるべき40代の人たちが、複眼的思考というか、広い目をもっていない。
 それから、アリになって人のために働くという、これがない!」

 困難を乗り越えて来られ、実践知を持った生の実務経営者のお言葉は辛らつですね。 感想・田舞徳太郎


1)
昨日は箕面国定公園の「学問の道・時習堂」で、王陽明の書物を読みました。
弟子たち二人が陽明に質問して、それに答える書簡でした。


2)
「恥」について詳細に教え諭されていますが、その教えが「私自身」の心にもぐさぐさと突き刺さりました。
5月の日創研経営研究会の全国大会in北九州に準備の流れが出来つつあり、
昨日は、一人で静かに学びました。
「閑」とは「ひま」という意味合いが強いようです。
しかし、自分に戻るという意を含んでいます。


3)
「忙中閑あり」とは、どんなに忙しくてもハードでも、
絶えず自分の心の位置を崩してはならないの意味ですが、私はすぐに外の世界に反応します。
孔子さまの優秀な弟子の子貢が、「自分はどんな人間か?」と問うて、
「お前は単なる器だ」と言われ、落ち込んだようなものですね。


4)
伊與田覚先生がお亡くなりになる前に、
ご自宅で「君は子貢のような生き方をしなさい」と言われ、伊與田先生の社長塾を受け継いでいます。
しかし、静かに反省しても、何かあるとすぐに反応する自分自身に、
「未だ、73歳にして器にもなれていない!」と、そんな感慨になります。


5)
昨日で2月の田舞塾の教育ケースの設問作成が終わりました。
22TT(企業内教育インストラクター養成コース)を修了されたS社長のケースです。
全文はS社長が福島君と打ち合わせをしましたが、
一応まとまった部分をディスカッションしやすいように、最終校正と設問を作成しました。


6)
文章を読みながら、S社長の苦闘に感激して涙を流しながらの校正でした。
中小企業にも凄い人がいます。
このS社長の運命は、借金まみれのボロ雑巾のようなもので終わるはずだったのです。


7)
しかし、社員の皆さんと一緒に頑張って横糸を入れてきた結果、
約12年間で借入金を43億5,000万円から4億円弱に減らし、
債務超過14億円だったのを、自己資本比率を24%まで改善してきたのです。


8)
三年前に月刊『理念と経営』の、「逆境!その時経営者は・・・」にご登場頂きましたが、
創業者の祖父の時代からの流れですから、この教育ケースに、すべての事が書かれています。
S社長は実質三代目ですが、まさに中興の祖ですね。


9)
文芸評論家の小林秀雄先生が、歴史とは「死んだ子を思ひ出す母親の悲しみ」と
書かれていた本を若い頃に読みましたが、日本人の歴史観ですね。
ふと、小林秀雄先生の言葉を思い出させる位、S社長の生い立ちに触れ、深い感動を覚えました。


10)
22TTコースは9年前に修了していますから、
S社長の状況は月刊『理念と経営』で初めてお知りになった方々が大半でしょう。
私は事情をお伺いしていましたので、休憩時間に色々と話し合ったことを思い出します。
あまりにも酷な状況に、当時の私はS社長を抱きしめたそうです。


11)
私は、S社長のように追い込まれた体験がありません。
現在は、約10%近い経常利益を上げておられますが、
心身共に疲れていても、こういう真剣に経営をされるS社長に心も癒され、
駐車場までの瀧道を歩く時も、妙に元気になりました。


12)
過去最高の売上高は132億円で、経常利益も20%近く計上しておられました。
そこに父の迷いが生じたのですね。
松下幸之助翁に44年間仕えられた木野親之先生から、
「人間には魔がさす時がある、経営理念は魔と戦う武器である」と、
口癖のように言って慎重に生きられた松下経営哲学をご教授頂きましたが、
私も時折魔がさします。注意が要りますね。


13)
祖父が創業し、父の優れた技術が飛躍させた原動力であったにも関わらず、
順調な時に「魔」が差すのです。
S社長は14億円の債務超過と、43億円の負債を背負って社長就任しましたが、
当初はどうするかを決断出来なかったそうです。


14)
私なら、
「一度しかない人生だから苦労する必要はない。
 見切り千両という言葉もあるではないか。辞めたら?」とアドバイスしていたかもしれません。
ところが、自らが社長として全てを償う保証人となる決意をされました。


15)
何によって人間は突き動かされるか?
難局だけではなく、順調な時でも、我々経営者は絶えず試されているのです。
松下経営哲学は「お金を追うな、志を追え」と述べています。「お金を追った人」の最後は、この31年間で見てきました。


16)
S社長の会社は、現在、無担保無保証、低金利で融資を受けられるような会社になりました。
教育ケースの最後の方では、社員の皆さんに心から感謝されています。
金融機関、取引会社、義弟へのお礼、その上に日創研にまでご配慮下さっていました。ありがたいことです。


17)
S社長を駆り立て、世界一の会社にしていこうという原動力になっているのは、
ただ一つ、社員全員と一緒に幸せな人生を送るという思いです。
社員さんの平均賃金は720万円ですが、東証一部上場企業でも平均700万円を超える企業は少ないようです。


18)
さて、色々と設問を考えましたが、S社長と打ち合わせをして決めました。
どんなに好調な企業にも、死角は存在します。
下記は1つのグループ討議、クラス討議の設問です。皆様ならどのように結論づけられますか?


19)
設問の一つを下記に挙げますが、これらは全ての日本企業に突きつけられている課題なのです。

「今後日本企業そのものの存続は世界戦略が大きなカギになります。S社の海外の売上構成比はまだ?%です。
今後、中国などの技術革新やアメリカのライバル企業との競争でも、優位に立つためには、
1.どのような人財育成戦略が必要か?
2.技術の陳腐化はないか?中国企業にミートされるリスクはないか?
3.世界市場へのマーケティングはどうするのか?
4.売上目標100億・経常利益20億・平均給与1,000万円を実現する具体策、各4項目に関して具体的提案を2つ以上してください。


20)
田舞塾の総リーダーにもお電話をして、
海外市場で活躍されているメンバーは絶対に欠席しないようにお願いしました。
日本企業は、人口減少という現実を受け入れながら、
いかにして10年後、20年後に飛躍していくか?2月のケース・メソッド授業が楽しみです。


21)
日創研は「分を弁えた経営」をすべての教育カリキュラムでお薦めしています。
企業は売上の多寡で決めるべきではなく、社長の器、幹部の力量、強い現場力に応じて、
ある面自然発生的に伸びるのです。無理や分を超えると危険です。
月刊『理念と経営』の一月号で、PHP研究所終身客員の谷口全平先生が、
松下幸之助に学ぶ「創造的生き方」の連載に寄稿しておられます。


22)
3月からの第15期「社長塾」は、論語と経営、古本大学・大学章句と経営、中庸と経営、朱子学陽明学と経営で臨みますが、
S社長は、まさに古本大学にある八条目の「格物」をされた上での成功です。


あの厳しい資金繰りの中で22TTを受けられ、
終了後は幹部さん、社員さんが可能思考教育や業績アップ6か月研修を受けられました。
コア・コンピタンス経営の研修で新しい転換点に気づかれました。
我々も大いに学び、可能思考能力を高めましょう。チャンス到来です。


田舞徳太郎

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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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このブログ記事について

このページは、田舞通信が2018年1月25日 13:40に書いたブログ記事です。

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