零からの出発・ハングリー精神を持て(経営のコツをつかんだS社長の決断)

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親愛なる皆様 お元気ですか。

今日の教訓
「会社を取り巻く環境は目まぐるしく変わっています。
 よく会社に行くと、挨拶代わりに「変わったことないか」と聞きます。
 幸之助は真剣に変化に対して質問していました。
 しかし、よくよくその態度を観察していますと、
 変化を先取りする姿勢が大切だと言う事に気づかされました。
 変化を知った時は遅れているのです。」
     木野 親之著『松下幸之助に学ぶ 指導者の365日』より

1)
昨日、香港から帰国しました。
田舞塾のケース・メソッド授業で香港経由で深セン(しんせん)に行ってきました。
教育ケース提供は、「ものづくり」のSTグループのS社長です。


2)
S社長の会社は7年前に田舞塾でケース・メソッド授業を一度行っていますが、
今回は当時の経営課題であった中国進出を検証する意味もありました。
中国進出に成功されて、今度は今後の経営課題をディスカッションしました。

田舞塾はこちら

http://www.nisouken.co.jp/000042.html


3)
今回のケース・メソッド授業の設問はたくさんありました。
二次加工だったS社長は、元請けである一次加工のT社を買収したのです。
買収したというより、T社の民事再生を引き受けました。
英断だったと思います。二年で黒字にしています。


4)
T社の破綻はリーマンショックの後遺症です。
また、STグループもリーマンショックで大きな痛手を被りましたが、
S社長の意思決定した「中国・深セン」の会社が稼いでくれたのです。
中国からの送金でリーマンショックを乗り切りました。


5)
S社長はチャイナリスクで、次はタイへの進出を計画していましたが、
今年4月の田舞塾でお呼びした私の知り合いの講師と縁があり、
その縁を生かして8月にはタイに合弁会社を作りました。


6)
また、同じ技術の物づくり会社のA社から、「買収してくれ」という依頼もあり、
自社の3倍の売上規模の企業買収をどうするかが大きな課題です。


7)
今回のケース・メソッド授業のディスカッションは、
 1、今の企業体力でA社を買収するかどうか?
 2、資金の捻出と買収方法?
 3、いくらで買収するか?


8)
M&Aは慣れないテーマだけに、今回のクラス討議は心配していましたが、
流石に学んでいる田舞塾のメンバーは違います。
ディスカッションは逆に時間不足の状態でした。


9)
S社長は45歳で二代目ですが、
 1、中国進出と成功体験
 2、一次加工のT社の再建と成功
 3、タイへの進出と合弁会社設立
 4、A社のM&A(買収)計画


10)
この短期間の間に非常に多くの意思決定をしなければなりませんでした。
かなりのストレスもあったようですが、
次々に意思決定をして実行する姿には、
中国進出での成功体験が自信になっていると思いました。


11)
「一皮むける」といいますが、S社長の短期間の決断はまさに
一皮むけた「経営者の姿」でした。
松下幸之助翁は、「経営のコツこれなりとつかんだ価値は百万両」と述べていますが、
必死に努力するS社長はまさに経営のコツをつかんだ様子でした。


12)
特に資金面では通常のデット(銀行借入とか、社債)から、
エクイティ・フアイナンス(新株発行や転換社債の発行)の方法を使い、
あまり自己資金を活用せずに、タイへの進出やA社の買収を行おうとしています。
この意思決定も正解だと思います。


13)
S社長と日創研のご縁は、
S社長が私の著作「理念経営のすすめ」を読んでからです。
日創研に関心を示して、その後「業績アップ戦略ワンポイントセミナー(二日間)」に
参加されたのです。


14)
そこで私は金沢市で開催予定の基礎コースにお誘いしました。
もともと可能思考能力の高いS社長でしたが、
会社経営では当時大いに悩まれていたのです。
(ご苦労の話は月刊『理念と経営』の「逆境!その時経営者は!」で紹介)


15)
わざわざ大阪から金沢にまで行って参加されたS社長です。
私が基礎コースの講師を担当しましたが、変革コースにも参加され、
当時の実践コースにも参加し、
すぐにTTコース(企業内教育インストラクター養成コース)に来られて、
卒業と同時に色々な職能教育を受けられました。田舞塾はズッと継続されています。


16)
S社長の中国での成功要因もディスカッションをしました。
ひとつは「シンセンテクノセンター」の石井さんに逢われたことが要因です。
同じ田舞塾のK社長の紹介で石井さんとのご縁がありましたが、
石井さんのアドバイスを生かしての中国進出の成功です。


17)
既に進出していた一次加工のY社の二次加工として出発しますが、
経営理念を活かしたり、中国の従業員さんを大事にして定着率を高め、
安定した技術の提供が出来たのです。


18)
特に、日本に留学していた林(りん)さんを責任者として採用し、
総経理として任命したことも大きな要因です。
林(りん)さんはS社長の会社でアルバイトもしていましたが、
企業の成功の第一条件は「人」に尽きると思います。


19)
テクノセンターの「石井先生」の講演も聞きましたが、
参加した100数名の方々は「目から鱗」の学びだったと思います。
私も熱心にメモを取りましたが、中国事情を詳細にお話し下さいました。
特に「格差社会が活力を生む」という言葉が印象的でした。


20)
深セン(しんせん)の二次加工の工場も見学しましたが、
20代の中国の人たちが顔に埃をかぶりながら作業をしていました。
STAY HUNGRY(ステイ ハングリー ハングリー精神を持て)
この言葉がピッタリの中国の方々の仕事風景でした。


21)
時間給が90円で、11時間から12時間働くそうです。
月収が3万円で、親への仕送りもするようですが、
社会保障ばかりをあてにせず日本人も学ばないといけませんね。


22)
それにしても、一皮むけたS社長の成功を祈らずにはおれませんでした。
「逆境!その時経営者は!」では、倒産寸前までの話をして下さいましたが、
逆境を乗り越えて、新たに大きな困難にチャレンジする姿は美しいです。

来年の新春経営者セミナー・東京大会のテーマは、
「零からの出発―創造と前進」ですが、
このテーマにぴったりのS社長の挑戦に学ばせて頂きました。

やはり、1に勉強、2に勉強、3に実践4に実力、5に成果です。

田舞徳太郎

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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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このブログ記事について

このページは、田舞通信が2011年10月31日 11:34に書いたブログ記事です。

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