GRITの意味と、口先上手で教える側に立つのではなく、絶えず学びつづける側に立つの教え

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●今日の教訓 『初心の感動』

 「日々新た」が幸之助の口癖でした。すべて最初の感激や喜びを思い出し、
 日々新たな気持ちでものごとに取り組めば、成功しないものはない、と考えていました。

 惰性に陥るのは人間の常です。惰性の中には知恵も創造性も出てこないのです。
 事にあたって、日々新たに初心の感動を思い起こせば、
 いつでも新たな知恵と喜びが生まれてきます。

                          木野 親之先生(松下幸之助に学ぶ指導者の三六五日)

 

1)
東京の特別基礎コースが終わりました。
二日目の夜に、アシスタントの皆様とお食事をご一緒し、ディスカッションしました。
それぞれ32名の皆様の研修エピソードをお聞かせ頂きながら、その気づきの深さに感動しました。


2)
私の研修の基本ベースは、第一に「気づき」の重要性と、第二は「実践力」です。まさに鬼に金棒だと思います。
と同時に、人間力・考える力・仕事力・感謝力です。そして、日々の力は自己修養能力と感謝力です。


3)
最高の幸福は「感謝している時」であり、感謝を持っていれば自ずから努力してモチベーションを上げていきます。
基礎コースは、原因論と未来論という相対立するものを統合した教育カリキュラムを組んでいますが、
ある女性のアシスタントの方は、両親に対する不信感が、感謝するまでに高まったと発表しておられました。


4)
ご受講生の方々も全員が参加され、安心しました。「人を見て法を説け」が教育の原理であり、
愛情が基本です。そして、愛は知ることからはじまり、真の教育は「人間」を知るところから始まります。


5)
私は、前に出てもっと失敗するように、失敗した分が多いほど「気づき」も大きいことを力説しています。
早稲田大学創設者の大隈重信公が、当時の卒業生に送った名演説があります。

「諸君は必ず失敗する、随分失敗をする、又成功があるかも知れませぬけれども、
 成功より失敗が多い、失敗に落胆しなさるな、失敗に打勝たなければならぬ。」の言葉です。


6)
最近、私は可能思考能力の講義の中でGRIT(やり抜く力)という言葉を使っていますが、
GRITは「略称語」とその「訳文」です。
GRITの「G」はGUTSで「根性とか度胸」という意味です。
日本で「根性とか度胸」と言うと、昭和時代の「教育論」に聞こえますが、アメリカでは最先端の「人財育成論」です。


7)
今回も、テスラ・モーターズやスペースXのイーロン・マスク氏のミッションと、
彼が貧乏から這い上がった話をし、意図が10あれば方法は無限大に広がるという講義のエビデンスとして講義しました。
慶應義塾大学の4回生に知って欲しかったのです。


8)
まさに、GUTSの塊のような起業家で、彼は「起業家は週100時間働かなければ成功しない」旨の話を、大学でしているのです。
一方、日本では「根性や度胸論」は否定され、労働規制が強化され、褒めることが真の教育のように信奉されています。


9)
私のスタンフォード大学での研究テーマは日米比較でしたが、ここまで異なるのか?と驚きました。
昔の人は失敗しても、傷ついても「立ち直り」が速く、大隈重信公のように「失敗に打ち勝たなければならぬ」と断言しています。


10)
つまり、アンジェラ・ダックワース教授がいう「GRIT」は、既に明治の時代に言い尽くされた日本の教育論です。
GRITの「R」は、心の筋肉とか、精神的な回復力とか、復元力という言葉の頭文字です。


11)
ひ弱になってしまった日本人は、横文字になると新鮮に感じるようですが、指導者になる人には当然の能力です。
SA研修では昔から言っていた言葉で、可能思考能力の一部のものです。人間力といってもいいでしょう。


12)
GRITの「I」は、自発性という意味の頭文字であり、
論語では、孔子さまがお弟子さん性格に応じて、色々と答えを変えて述べています。
自発性の高すぎる人には「中庸」を説き、低い人にはその消極性を見抜いて、優しい言葉かけをしています。


13)
このGRITを高める方法に、アンジェラ・ダックワース教授は「目的」と「快楽」と述べています。
目的は賛成するとして、フロイトの快楽原則を引用して研究されているようですが、
いつも述べるように快楽原則は人間を駄目にすることには触れていませんので、
快楽原則の功罪を明らかにしておいてもらえると、さらに良かったかもしれません。


14)
「GRIT(やり抜く力)」を持つためには、第一に「好きなことをすること」と述べる研究者もいます。
私は中小企業の活性化を促進する者として、各々が「好きなことだけ」していたら組織にならないと考えています。


15)
孔子さまも、「之を知る者は、之を好む者に如かず、之を好む者は、之を楽しむ者に如かず」と述べておられますから、
こういう研究や表現も間違ってはいないと思いますが、無知な人ほど、自分の都合の良いように解釈します。
私は「Theマスター・コミュニケーションプログラム」ではこのGRITも講義しますが、誤解がないようにしなければなりません。


16)
GRITの「T」は、執念と言う意味の頭文字をとっていますが、これには大賛成です。
まずは、いつもの口癖「経営者はもっと企業経営に執念をもて!」の、確たるエビデンスになります。
大激変の時代に、国内の一人当たりGDP世界第26位(IMF)まで低下していますから、
我々経営者は、本当の意味で目を覚まさなければならないでしょう。


17)
ただ、GRITだけでは、真にやり抜く力とは言えない様にも感じます。
これにM(道徳性)を加えて、真に世のため人のためか?という、社会性を松下幸之助翁なら追求されるでしょう。


18)
アンジェラ・ダックワース教授のGRITに対して、スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック博士は、
「グロースマインド・セット(成長型マインドセット)」という考えを追加して研究されています。


19)
キャロル・ドゥエックの「グロースマインド・セット」とは、
「知能は生まれつき固定されたものではなく、後天性のもの、努力を重ねることによって変えることができるものである」
という考え方です。日創研はこの説に大賛成です。
「安易に褒めてはならない、努力に感謝しなさい」という、アドラー心理学の考えに近いと解釈しています。


20)
キャロル・ドゥエック博士の研究では、子供たちに脳と知能の発達について予め学習させ、
知能は生まれつきのものではなく、挑戦し続けること、努力することによっていくらでも伸ばすことが可能であると教え込んだ後に、
難しい問題を解かせると、子供たちは難しい問題に対しても失敗を恐れず、自ら進んで挑戦しようとすると説明しています。


21)
なぜなら、彼らは失敗することについて、永遠に続く致命的なものではないと知っているからであり、
この「グロースマインド・セット」という考え方は、どうすればグリットを育てられるかを説明する上で、
とても素晴らしい考え方であると説いています。


22)
2月からの「Theマスター・コミュニケーションプログラム」が楽しみです。
ドゥエック博士の「グロースマインド・セット」は、ある意味、広義の解釈では「人生に役立つプラスの(観念)」と言えます。
今はマサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授の組織論も学んでいます。


23)
学びながらさすがだと思いますが、私なら「関係の質」よりも、
先に「思考の質」からサイクルを回した方が良いと思いました。

凄く生意気で恐縮ですが、本に読まれるのではなく、色々な視点を広げてみて、
多くの意見をお聞きし、自分の考えを持つことも大事です。


24)
今のところの私なりの意見は、最も大事なのは「グロースマインド・セット」だということです。「心の有り様」です。
今日からTTコースの第8講です。さらに学びつづけていきます。最大の教えは伊與田覚先生や田里亦無先生の言葉です。
「口先上手で教える側に立つのではなく、絶えず学びつづける側に立て!」と、分かりやすくお教え頂きました。

田舞徳太郎

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プロフィール

  • 日創研グループ 代表 田舞徳太郎
  • 「中小企業の活性化」を事業目的とする日本創造教育研究所グループの代表。
    このブログでは、東奔西走の日々を書きつづります。

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このブログ記事について

このページは、田舞通信が2016年11月 1日 14:20に書いたブログ記事です。

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